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かえってきたサッカー少年


2016年10月15日,16日 新潟県新潟市 新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ

執筆:大塚智子


先週は、新潟市中央区にて開催いたしました。都会でありながら自然いっぱいの新潟市。広大な敷地内にある「りゅーとぴあ」さんからは、雄大な信濃川が見えます。そしてすぐ近くに日本海。そんな豊かな街で、とても素敵な少年に出会いました。


お母さんと一緒にやってきた三兄妹は、3年生の長男くんが、かなりの本好きの様子。最近まで図鑑にはまっていたけれど、今は歴史の本に熱中しているそうです。「好きな時代は?」と聞くと「戦国時代」と嬉しそうに答えてくれました。昭和の香りです。笑 下の子は3歳と2歳でまだ小さいのですが、お兄ちゃんの影響もあってか、一生懸命ブックトークを聞いてくれました。お母さんは、長男くんが小さい頃、たくさん本を読んであげたとおっしゃっていました。ゲームも本人が特に欲しがらないので与えていないそうです。ブックトーク中に、大人たちに向けて「本の中にはたくさんの世界や奥行きがあり、本好きの人は、それをたくさん体験している」という話をすると、長男くん「オレ、すごい体験してる」と、つぶやきました。本を紹介しているときの、彼のキラキラしたした表情をみなさんにもご覧いただきたかったです。

ブックトークの後も、お兄ちゃんは一人でどんどん本をめくっていきます。それを真似するように下の子たちもがんばって見ようとしていました。特に2歳の妹さんは、一生懸命、少し高い机につま先立ちをして見てくれました。ご家族で二時間ほど滞在されたのですが、サッカーの練習があるので、泣く泣く帰っていった長男くん。お母さんに「時間がないよ」言われてもギリギリまで粘っていました。


そして、4時間後。。

夕方のブックトーク中、一人の少年がやってきました。サッカーのユニフォームで、髪は汗で濡れていました。長男くんです。サッカーの練習を終えたその足で走ってきてくれたそうです。私はもう胸がいっぱいで泣きそうでした。それから、ずーっと一人で熱心に絵本を眺めていました。お客さんがいなくなって、たった一人になるまで。


全国をまわり、たくさんの子どもたちと出会う中で、「本離れ」をリアルに感じてしまう私たちですが、こういう真っ直ぐな子に出会うと、本当にうれしくなります。そして背筋が正される思いです。本は楽しい。伝え続けていきたいです。


次回は、埼玉県川口市です。

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