「おイモッ、おイモッ」
2019年10月26日,27日 愛知県みよし市 みよし市サンライブ
執筆担当者:武田朋彦
先週は、愛知県みよし市に行ってまいりました。豊田市の隣、トヨタ自動車のおひざ元で、子育て世代、子供人口が全国平均に比べて抜群に多い街です。今回は市役所のご協力も頂いて、幼稚園、保育園からたくさんのご家族にチラシを届けさせて頂きました。会場も新しく素敵な場所です。ここのところ台風にやられていた私たちとしては、かなり期待しての開催でした。
土曜日の1回目は久しぶりに子供たちでにぎわいました。しかし、本に慣れていない子も多く、お友達同士が連れ立って来場されていることもあり、少しガヤガヤとしたブックトークになってしまいました。そして、その後はピタッとお客様が止まり、やはり本離れの現実に向き合うこととなりました。
そんな中でも、勇気を頂く出会い(再会)がありました。 日曜の朝、会場に向かう車の中での私たちの会話です。「〇〇さん来られるかな。近いけど・・・。もし来て下さったら4回めだね。」・・・〇〇さんとは、名古屋市にお住まいで、私たちの絵本を何と100冊ほど並べて下さっているご家族です。初めて出会ったのは2015年大府市でのえほん展、お父さんお母さんと男の子2人、二人ともまだ小さな幼児さんでした。その翌年に一度、次に2017年にはわざわざ稲沢市まで来てくださいました。このとき、お母さんのお腹の中には、女の子が。facebookにメッセージも下さるので、その後誕生した妹さんのことなど、お子さんの様子を遠い親戚のおじさんの気分で見ています。
少し早めに会場に入って窓を開けて、気持ちがいいのでそのまましばらく外を眺めていました。すぐ下の駐車場に一台の車が入ってきました。降りてこられたのは〇〇さんご家族です。うれしくて窓から手を振りました。お父さんお母さんは「見つかっちゃったね。」と笑っていらっしゃいます。2人のお兄ちゃん、よちよち歩きの妹さん。妹さんとは初めてでしたが、facebookで誕生を知っていたので、二度目と勘違いしてしまいました。 この日は豊橋市のお友達のところに、“お芋ほり” に行かれる途中に、“チョット” 寄って下さったのだそうです。
2人のお兄ちゃんは、入ってくるなり部屋の中を一回りして、テーブル上の本を眺め「これ持ってる。」「これはない。」一瞬にして最近入った新しい本を見つけ出していきます。普段からよく見て下っていることがすぐにわかります。大塚が「今、どの本がお気に入り?」と聞くと、スラスラとタイトルを言いながら、掲示している絵本の一覧表をどんどん指差してくれたそうです。ブックトーク参加も慣れたもの、上手に聞いてくれます。私たちも、ご家庭にはない新しい本を読みました。お兄ちゃんたちは2年前よりもずっと大人になりました。まだよちよち歩きの妹さんも、お兄ちゃんたちの見た本を、後追いしながら一緒に見てくれます。負けず嫌いで心の強い子になりそうな妹さんを、お母さんが上手にいなしてお相手している様子が印象的でした。
子どもたちの周りに刺激的なモノが溢れかえる現在、兄妹みんなこれだけ本好きというのは珍しいです。お母さんに聞いてみると、まだゲームは届いてないとの事、ゲームよりはトランプで遊びたいお兄ちゃんですが、「トランプができるお友達がいない。」と笑っていました。お母さんは謙遜されて「何もしていません。本を並べてほったらかしているだけです。」とおっしゃてましたが、この時代にゲームが無い事、そしてそれが大きなストレスになっていないのは、お父さんお母さんの愛情あってのことです。今日だって、せっかくの秋のお休みに、言葉少なく室内で遊ぶよりも、 “ 家族みんなでお芋ほり ” の方が楽しいに決まっています。
本好きのご兄妹は、本の並ぶ空間がとても楽しいようで、“ チョット寄る ” で終わるはずもなく、最後は私たちの方が「ほらほらお芋が待ってるよ。」と送り出したほどでした。お母さんとお兄ちゃんが、「おイモッ、おイモッ」と言いながら出て行かれたのがとても可愛らしかったです。
元気を頂きました。こんなご家族に増えて欲しいと思います。来週も頑張ります。
次回は、さいたま市緑区での開催です。
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